ずっと読みたかった本に尾道で出会いました。
「日本ワインと手仕事の旅」
直感通り好きな本で、今の自分に必要な内容だった気がしています。日本におけるワイン、パンのあり方を、頭のなかでぐるぐると考える時間でした。
ちょっと脱線して「ツカノマパン」という屋号の由来ですが、元は東京の尊敬するパン職人さんからヒントをいただきました。5つぐらいある候補の中で「塚ノマパン屋」という名前がすごく頭に残って、それを少しシンプルに「ツカノマ」に。もともと、カナダで1年間生活をした時から、自分がより日本人であることを意識するようになっていたのも「ツカノマ」を選んだ理由です。日本人に馴染みがあり、口にしたくなる言葉。あとは後々付け足してもいいかなと。
それが、熊本で活動していくうちにだんだんと周りに「ツカノマパン」と呼ばれるようになり、最終的にはそこに落ち着きました。今ではとても気に入っています。束の間という歴史と儚さを感じさせるところだったり、ぼくの名前にちょっと近いところも。師匠にロゴを書いていただいて、より愛着が湧くようになりました。
脱線長めですみません。
パンもワインも本来は、日本になくてもいいのかなと思います。(ぼくはないと辛いですけど)日本には、圧倒的に歴史の長いご飯と日本酒が鎮座してるわけですし、気候的にもお米が合っています。ぼくも基本的に、ご飯派です。
ただ、だからこそ日本でのパンのあり方が重要な気もしています。パン職人さんそれぞれに考え方があると思いますが、ぼくは師匠の考え方がすごく好きです。
「人はなぜ小麦を発酵させる必要があったのか」
「パンは人にとって良質な食糧であるべき」
そんな、本質とは何かを考えながら、ヨーロッパの伝統的なパンを日本の有機小麦で焼いているところに魅力を感じて、更にパンの世界にのめり込んだのだと思います。
本を読んで、日本ワイン(特に自然派)は、本質をついたつくりをしている素晴らしい時代に突入しているんだと感じました。で、日本のパンはどこへ向かっているんでしょうか。
研修を経て、ぼく自身は道を見つけたと思っています。そして、これからの旅がその道を更に強く踏み固めていってくれるはずと。なので、旅を続けます。旅の日記にも付き合っていただけたら嬉しいです。
それと、大切なこと。satieさんの珈琲が、とても美味しかったこと。優しさとインパクトと妖艶さを兼ね備えていると。ついおかわりしてしまいました。コーヒーもワインもパンも、妖艶なものにメロメロです。
この記事へのコメントはありません。