パンとワイン

パンとワイン⑤

パンとワインの愉しさを教えてくれた友達。

その友達との初めての食事の写真がちゃんと残っていた。
多分、8年前ぐらい。

横浜のパン屋さんで働いてた時、研修で3日だけ一緒に働いたしまさん。
年齢は一緒だけど、職人としては全然先輩で、有名店を卒業していたから会う前はなんとなくビビっていた。

研修最終日に厨房を出たしまさんを追いかけ、勇気を出して携帯の番号を聞いた。
その時のことをまだはっきり覚えてる。

パン屋さんで働き始めて、最初に出会った同い年の職人さん。研修中、すごく差を感じて悔しい気持ちもあった。
でも嬉しかったし、質問したいことがたくさんあった。(ナンパではないはず)

それで、食事に行ったのがアヒルストアさん。
アヒルストアさんは、色々と衝撃だった。
未知の世界が広がっていた。

それまでワインは苦手で。
たいてい二日酔いになっていたから。
でもこの時は不思議と大丈夫でした。
ナチュラルワインの知識とか全然なかったから、先入観ではなかったんだと思ってます。
個人差あるし、体調とか食べ合わせもあるだろうから、はっきり言えないけど、ぼくの体には合っているのかなと。

ここからワインに興味を持つようになりました。(ワインをカッコよく注文するしまさんに憧れたのもあります)
ワインだけじゃなくて、料理とパンとの関係とか。
ナチュラルワインのことを調べるうちに、食の大切さや環境にも興味を持つようになりました。
ドリアンのことを教えてくれたのも、確かしまさん。
出会ってなかったら、きっと違った人生になってたと思います。

話逸れますが、ぼくが高校生の時、ハンバーガーが65円というすごい時代でした。それはそれで大変お世話になりました。
部活の帰りとか、とにかくお腹を満たすために食べマクっていた。
母親が、家でちゃんと料理を作ってくれてたのに。

料理上手な母の影響で、10代の時からずっと飲食で働いていたけど、添加物とか食と環境の問題にはほとんど興味がなかった。
ナチュラルワインに出会って、いろんなことを考えるようになったと思います。

ナチュラルなものが正義で、それ以外は悪だ。とは思っていませんが、たくさんの選択肢のなかで、自分の選択したものの背景はちゃんと意識したいと思っています。
日々の買い物や食事とか。
自分がつくるパンも。
誰かの体の一部になるものです。

熊本に来て、ずっと自分の作るパンに迷いがありました。
ワインを通して知り合った方の影響もあります。良い意味で。
でも、ドリアンで研修して迷いはなくなりました。腑に落ちるパンが焼けるようになったから。

変わりたい、変わらなきゃと思っている時に、たいてい人生を変えてくれる人と出会えてきたことは、本当にありがたいです。
今は、独立という新しいことに挑戦していて、迷うことも多い日々ですが、ひとつひとつ前に進めるように頑張ろうと思います。

新潟で独立して、もうすぐ4年を迎える6/7のしまさん。
なかなか会えないけど、尊敬できる友達からすごく刺激をもらっています。