ドリアン研修日記①
研修を重ねて、決めたこと。何回かに分けて少しずつ報告するので読んでいただけたら喜びます。
まずはお店(ツカノマパン)のこと。とにかくドリアンさんを真似することにしました。ツカノマパンは熊本県の郊外で独立予定ですが、全国発送と市内での販売もします。粉は国産小麦で、なるべく有機のもの。熊本のお水と、副材料(塩や砂糖など)はなるべく九州産のものを。ルヴァン(自家培養の発酵種)で発酵させて、薪窯で、基本的には大きな食事パンだけを焼きます。(あくまで妄想ですが、店頭で熊本のチーズや野菜、ハムなんかを販売して、お客さんが近くの公園でサンドイッチ作って楽しんでくれたら最高です)
ドリアンさんのパンを毎日食べるようになって、すごく体調が良くなりました。個人差あると思いますし、他にも要因があるんでしょうが、特にお腹の調子は絶好腸です。なので、パンも徹底的に真似をします。
理想の営業は、熊本市内で週に1日、地元(熊本県郊外)で週に2日、発送専用で週に2日です。せっかく熊本に移住してきたのだから、地元の為だけに販売ということも考えましたが、現実はそんなにあまくないと気付きました。ぼくが作りたいパンを求めている人は圧倒的に少数派です。地元だけで販売していたら、きっと潰れます。自分の志を貫きつつ、多分いるであろう少数のファンを大切にする為にも発送をする事にしました。(個人的には他にも発送のメリットがあって、ひとつは故郷や全国にいる友達にも自分のパンを食べてもらえることです)
師匠(田村陽至さん)のブログを読んだことがある方は分かるかもしれませんが、正直この考え方も師匠の真似です。詳しくは(捨てないパン屋9 「地元の為にもないがしろにする」)に書いてあります。真似ばかりでズルいと思われるかもしれませんが、そこに自分にとっての正解があるのに真似しないことの方が不自然だと感じるようになりました。正直、最初は抵抗もありました。真似しつつ、今までの経験を足しながら個性を出そうという思惑もありました。でも、長いヨーロッパの歴史の中で構築された文化から真似をして仕事をしている師匠のやり方は最強だと、ぼくは思います。いろんな考え方あると思いますが、自分を殺して、不要なものを削ぎ落としてひたすらに師匠を真似し、積み重ねていくことが自分の中ですごく腑に落ちました。それと個性は、そうした削ぎ落としていった先に奥底から溢れ出るものだと知りました。どんなに真似をしても、ぼくのパンが師匠のパンと完全に一致することがないように、きっと個性は意図せず出てしまうものだと。
自分のやりたい仕事ができていることがこんなにも楽しいことなんだと、今は日々噛みしめています。もちろん環境にも恵まれているんですが、やりたくない事をやらなくて済むことが、こんなにも心に健全なのだと知りました。伝えたいことはまだまだあるんですが、今回はこの辺で。
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